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600号を記念して

[LHPS編集長:湯口隆司]

     早いものでルーテル・アワー・プレス・サービス(LHPS)が、今回で600号となります。第1号は1990年3月23日に発行し、中国でクリスチャンが逮捕されたという内容のたった一つの記事を、新聞社にFAXで流したのです。その後、次第に記事数も増加し、1990年代後半には新聞社への配信もFAXから電子メールへと変化してきました。当時、マスメディアにキリスト教関連の記事が極端に少ないという事情がこのLHPS発行の理由でした。私と石山純子さんの2人で発行可能な印刷物はないかと話し合い、世界のキリスト教ニュースの翻訳発行に決まりました。私自身も香港に事務所を置くアジア・ルーテル誌の編集委員を務め、アジアのルーテル教会関連のニュース発行にかかわっていたことも、ニュース翻訳の開始に役立ったと思っています。

     1990年代は、世界の大きな変化の10年でした。インターネットにより、より早くかつコピーが国境を越えて団体間だけでなく、個人から個人に到達できるようになり、また写真や動画もテキスト同様にデジタルで配信されるようになってきました。

     しかし、実際のキリスト教のニュースは、多くの場合、発信者が現場で取材するという、ニュース記事の基本から発していることが大きな特徴と言えます。マスには載らない、しかし、地に足をしっかり据えた記事を、読者に送れるからです。

     ゲートキーパーとしての私の責任も感じるようになりました。毎週、翻訳できるニュースの数は限られていますので、どの記事を訳すかはとても難しい作業となります。奇抜性にとわられすぎないように、かつ読まれる記事をといつも考えつつニュース選択をしています。

     その中でどうしても個人的な関心が取捨選択に表れてしまいます。読者の方々はすでにお気づきと思いますが、人権、宗教の自由、経済的差別と暴力などです。これらグローバリゼーションの中に多くの場合埋没してしまう記事を、LHPSではあえて、キリスト教の核として、この視点は固辞してゆこうと考えています。

     世界のキリスト教ニュース配信の先輩である郡山千里氏とは、かねがね日本発のキリスト教ニュース配信の必要性について話し合っていますが、これは次の英語を自由に操る若い世代の課題となるでしょう。LHPSは、世界のクリスチャンの信仰と生活を少しでも多く、早く、確実に皆様にお届けすることが大切な役目と自負しております。今後ともご批判とご支持を読者の皆様に期待しております。



[翻訳協力:石山純子]

     ニュース翻訳のお手伝いをさせていただくようになってから、もう10年以上も経つと知り、ただただ驚いています。最初の頃はインターネットがこれほど普及しておらず、もちろんすでに充分情報化時代ではありましたが、ニュースの伝達速度は、今ほど「瞬時」ではなかったような気がします。当時、ニュースを訳していると、最新の時事用語などは、「この日本語訳は、まだ見たことがない」ということもよくありました。一応独自で訳してはみるものの、しばらくしてから新聞に登場した訳語が各紙で違っていたりして、「本当に最新のニュースにふれているのだなあ」と思うこともよくありました。今でこそ、インターネットのおかげで英文配信と同時に、統一された日本語訳も伝わるようになりましたが。

     内容は、湯口さんが言われるように人権、宗教的差別、経済格差、国際紛争などを最初からずっと扱っています。それらを取り上げることができるのは、それらすべてにキリスト教が何らかのかかわりを持ち、あるいは持とうとしているからです。キリスト教関係のニュースに限定しているはずなのに、気がつけばあらゆる国の、政治のトップから国民の最下層にまで話は及んでおり、キリスト教のみならず、宗教の網羅する範囲の広さをいつもひしひしと感じています。

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