神に母性愛を見る

 壁一枚をはさんで、居間のとなりに私の仕事部屋はあります。妻の声は聞こえませんが、子供たちの笑う声、泣く声はよく聞こえてきます。うるさいなぁ、と思うこともたまにはありますが、むしろ、不安やイライラにさいなまれる心を慰めてくれることが多く、ありがたいものです。

 人に限らずあらゆる動物の子どもの声は、人の心を動かしやすい音域を持っているという話を聞いたことがあります。そして、その音域にいちばん敏感に反応できるのは女性なのだそうです。

 ファラオの残虐なおふれにもかかわらず、一人の母親は生まれた子を隠し守りました。ファラオのいちばん近くにいたはずの王女は、川で泣く赤ん坊の声を聞き、不憫に思ってその子を引き取りました。赤ん坊の姉は幼い弟を放っておけず、その行く末を見守りました。振り返れば1章の物語においても、2人の助産婦の機知に富んだ行動で、赤ん坊が守られました。

 どんな力も愛の前には無力だと教えているようです。今日の箇所に「神」という文字こそ一度も登場しませんが、すべてをお計らいになる神の御心を感じさせる箇所ではなかったでしょうか。


祈り