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まるで諜報部隊の女スパイのようなデリラにサムソンはたじたじです。ペリシテ人に買収されたデリラは、再三サムソンの力の謎を聞きだそうとしますが、サムソンはのらりくらり。けれどもデリラの「愛しているならなぜ」という決まり文句に、結局秘密をばらしてしまうことになります。 映画も舞台も、観客の時は「どうして主人公はあんな失敗を簡単にしてしまうのだろう」と思うことがあります。今日のサムソンの姿は私たちにそのように映ります。デリラは優秀な諜報部員だとは思えません。サムソンはその意味では間抜けな主人公です。 けれども私たちも神さまから見れば同じようなものなのではないでしょうか。うまくやっているように思えて、実は恥ずかしいくらい大きな失敗をしているのかもしれません。正しく立派に生きているようで、実はまことに間抜けな者なのかもしれない。 そんな私たちでさえ神さまに赦されている――「肩肘を張らない」という生き方はここから生まれるのではないでしょうか。 |
●祈り