それでも人生にイエスと言う

 花のいのちは短くて、悲しきことのみ多かりき、と言った作家がいました。現代のヨブに言わせると、人のいのちは長けれど、悲しきことのみ多かりき、となるでしょうか。14章のヨブの嘆きを聞いていると、「平家物語」や「方丈記」など古典の1節を思い起こします。

 5節では「人生はあなたが定められたとおり、月日の数もあなた次第。あなたの決定されたことを人は侵せない」と、人生が全能の神さまの手の中にあることを告白しています。20世紀において世界に最も影響を与えた書物の1冊にあげられる「夜と霧」の著者フランクルが強制収容所から開放された翌年ウィーンの市民大学でした講演集が「それでも人生にイエスと言う」というタイトルで出版されました。ユダヤ人であるという理由で600万人もの人々が殺りくされた20世紀最大の悲劇のただなかにいて「それでも人生にイエスと言う」希望は、どこから与えられたのでしょうか。現代のヨブに大きな示唆と希望を与えてくれる書であると思います。

 人生の逆境にいても、なお神との格闘を続けるヨブの真摯(しんし)な姿に教えられます。


祈り