我、ここに立つ

 パウロほどに数多く異邦の地に足を踏み入れ、そこで多くの人と出会い、国境や民族の壁を破って福音を語り伝えた人物は、古今東西を通じて類を見ないでしょう。そんな彼であればこそ、《もはやユダヤ人もギリシャ人もなく》(ガラテヤ3章28)の言葉は説得力を持っています。

 しかし、今日の文面は、そんなパウロと相容れない排他的な印象を与えます。

 異教の国の人々にたった一人の救い主のことを伝えるには、広い心で人々と接する一方、語り伝えるべき真理がゆがめられたり、安易な妥協をしていくことに対して、毅然とした態度がパウロには必要とされたはずです。その思いの一端を、ここにかいま見ることができます。

 異教の地で信仰を携え生きるには、困難な出来事がいつもつきまとっていたことでしょう。日本で信仰生活を送る私たちは、そのことに共感できます。パウロは、信仰のない人と縁を切りなさい、と言っているのではありません。どんな状況の中でも、神を信頼して、揺らぐことなく信仰の道を歩むよう語りかけているのです。今日のメッセージはそこにあります。


祈り